修学旅行の情景(終わっちゃうぞ編)

さて、前回で物凄く滑った感がありますが、やり始めたことは途中でやめてはいけません。
二人目。
「まあこ」さん。
以前『ケニアの申し子』って単独で書こうとしたけどあらゆる事情で企画倒れになっちゃった人。
ある日
「友人)まあこさんってもしかしてケニアの人?」
というあまりにも唐突な質問から
『まあこさんは実はケニア出身』
という噂が広まる。
なぜなら色が浅黒い、背が低くて細い、足がやたら細いなど彼女の外見が
ケニア
の一言でみんな納得してしまうからです。
でも彼女前でこれを言うとふてくされるので注意が必要です。
(当たり前だろ)
彼女はバドミントン部に所属していて、
時折活動を見ると後輩たちの円の真ん中で、
「まあこ)ホッ、ホッ」
とヤジロベエのごとき体操をなさっていて、後輩たちが戸惑いながらそれに従っていたりします。
でも、まあこさんにその謎の体操のことを聞くと
「まあこさん)文化部にはわからないことよ」
って言われるのでだれも聞けません。
なぜなら彼女の友人はみんな文化部だからです。
以前まあこさんに吹奏楽について聞かれたので
「名無し)いや、運動部には複雑でわからないよ」(冗談めいたノリで)
って言ってみたらマジで説教されました。
酷い、酷いよまあこさん…!
あと、まあこさんは
「運動部だからね〜」
っていいながら、お昼は大きなタッパー3つ分。
ご飯の段と
ワカメの段
卵焼きの段です。
コワい…コワいよまあこさん…!
時たま「今日は軽めで♪」って
バターロールお得用15個入りを袋ごと持ってきて全て食べたりします。
どこが軽めなんだ、どこが。

そんなまあこさんはバスケ部くんに恋をしていました。
修学旅行はそれはそれは燃えておられました。
修学旅行前も猛烈なアタックをしていました。
そうゆうまわりの友人たちの恋愛沙汰に疎い名無しがなんでそんなことを知っていたかというと、
それについてのまあこ自作の日記じみたポエム集を
「まあこ)読む?」
といって渡されたからです。
これは、断れない。
解説とかついててすごくわかりやすかったんですけど、読んでてちょっと
「まあこさん、将来自分が作ったポエムをまわりの人に見せまくったの後悔するんぢゃないかな…」
って思いました。

で、修学旅行当日。
それまでのまあこさんのテンションが尋常でないくらい上がっていたので、
「(いろんな意味で)大丈夫かしらん?」
と思っていましたが、大丈夫じゃありませんでした。
いや、なんでかって。
あれですよ。
誕生日ごとに柄がちがうテディベアのキーホルダーあるじゃないですか。
あれがまあこさんのリュックに十体ほどぶら下がってて、首を集団で吊ってるように見えるんですよ。
集団自決に見えてコワいんですよ。
しかもまあこさん、赤い、物凄く長い紐に絡まってたんですよ
「名無し)ままま、まあこさん!?どうしたの!!???」
って聞いたら
「まあこさん)いや〜バスと飛行機で暇だろうから組み紐やろうと思ったら絡まっちゃった
ってかえってきました。
ああ、不安。

それから数日間、ホテルにいない間は楽しく過ごしました。
問題はホテルでの一時です。
まず、まあこさんは運動部で修学旅行中もランニング・筋トレをしなきゃいけないんです。
で、Tシャツを15枚ほど持ってきてたんです。
約一週間の旅行ですからそれぐらい当たり前です。
でもね。
想像してください。
しばらく他の部屋に行ってて自分の部屋に帰ってきたら、
部屋中に洗ったTシャツを干されていることを。
クローゼットにも干されてて、マイ・ジャケットが湿っていることを…。
トイレに行こうが風呂に行こうがベッドにいようがそこら中にまあこさんTシャツ。
そして人目のつく所にブラ・パンツを干す。
これを一週間。
ツラい。
同室のみんなげんなり。
まあこさんは絶好調
まあこさんがTシャツだらけベランダで星をしばらく眺めてたので、なにしてたのか聞いてみたら
「まあこ)平和について考えたの」
ってたいそうスケールの大きいことを言われました。
ああ、駄目だ。ツッコんじゃだめだ。奴は本気だ。ボケてない。
そして毎晩のバスケ部くんにメールしようかどうか祭。
「まあこ)ここ何十通か返事こない〜」
って普通の人なら諦めるはずですが、
まあこさん、メールしちゃう。
きっとこれは「恋は盲目」ってやつです。
その横で大阪にいる馬鹿とメールしてたら
「まあこ)男!?」
って騒がれました。
ああ、話していることは
「名無し)今日はみんな鑑賞会やってないの?じゃあ寝て。さっさと寝て
「大阪馬鹿)今日もやってるよぅ。今トイレに避難してる。」
「名無し)じゃあ参加してこい。」
って下品なやり取りだったのに。
しかしまあこさん、あまりにもイライラしていたらしく、いつまでもお騒ぎなさっていたのでメールの内容をすべて見せてみました。
黙りました。




そんなことをしてても一向にバスケ部くんからメールの返事がこないので、まあこさんはある決心をなさいました。